まことに御怒りは束の間、いのちは恩寵のうちにある。夕暮れには涙が宿っても、朝明けには喜びの叫びがある。《詩篇 三十・5》
クリスチャンよ。もし、あなたが試練の夜にあるなら、明日のことを考えなさい。あなたの主が再び戻って来られることを思い、あなたの心を元気づけなさい。忍耐強くあれ。「見よ、その方は雲とともに来られる《黙示録 一・7》」からである。忍耐強くあれ。農夫である主は、刈り入れの時を待っておられる。忍耐強くあれ。あなたは「見よ、わたしはすぐに来る。それぞれの行いに応じて報いるために、わたしは報いを携えて来る。《黙示録 二十二・12》」と言われたお方が、誰であるかを知っているのだから。
あなたは、今ほど惨めになったことがないであろうか。そうなら、次の讃美歌の歌詞を忘れてはならない。「多くとも、残り僅か2、3回 / 太陽がかつ出、かつ没せば / 汝れは美しきカナンの岸辺に降り立たん。(『Hail, Sovereign Love:主権者なるお方の愛に幸あれ』の5節より)」 あなたは今、困難という茨を頭に戴いているであろうか。そのあなたの頭には、間もなく星のように輝く冠を戴くことになる。あなたの手には、心配事が満ちているであろうか。やがて、あなたのその手で、天の御国にある立琴の弦をかき鳴らすことになる。あなたの衣は今、塵にまみれているであろうか。近い将来のその時、あなたは白い衣に身を包むことになる。
もうしばらく、待ちなさい。私たちの遭遇して来た困難や試練を振り返る時、何とつまらないことに思いわずらって来たことかと思う時が来るであろう。
今この場で、私たちの遭遇している困難や試練の今後の状況を思えば、今はとてつもなく大きな問題に見える。しかしやがて、私たちが天の御国に着く時、次のように告白することになる。
「我ら 喜びに満たされ / 骨折り苦しみしことをば 物語らん(『Lord, what a wretched land is this:主よ、この地は何と惨めならん』の4節より)」
その時、私たちが通って来た試練は、束の間の苦しみであったと思えるであろう。勇気を出して、歩み続けようではないか。いかに夜が暗くあろうとも、必ず朝が来る。それは、地獄の暗闇に閉じ込められている者には想像も及ばぬ、素晴らしい朝である。あなたはこのように、その時を思いつつ生きることが何を意味するか、知っているだろうか。即ち希望を抱きつつ生きること、更には天国で生きることの前味を味わいながら生きることが、何を意味するか、あなたは知っているだろうか。信者よ。これほどに確実で、これほどに慰めに満ちた希望を心に抱くあなたは、何と幸いであろうか。
今は、暗闇であるかもしれない。しかし、直ぐに光が来る。今は、試練ばかりが押し寄せて来るかもしれない。しかし、直ぐに身に余る幸福が押し寄せて来る。「夕暮れには涙が宿っても 朝明けには喜びの叫びがある。」 であるなら、今受けているしばらくの軽い患難は、何ほどのものであろうか。
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