10月20日 空しい偶像からの救いと解放

空しい偶像に心を留める者は、自分への恵みを捨て去ります。しかし私は、感謝の声をあげて、あなたにいけにえを献げ、私の誓いを果たします。救いは【主】のものです。《ヨナ書 二・8~9》

私たちの周りには、空しい偶像が沢山あります。現実には存在していないのに、人は「神々」と呼んでいます。あるいはまた、そと身はあるけれども、中身のないものが沢山あります。すぐに消え去ってしまうものも、沢山あります。「これを持てば絶対に幸せになれる!」と思っていた物が、あっという間に、あっけなく崩(くず)れ去って、瞬間的に水の泡のように消え去ってしまう体験を、世界中の人が、今も昔も経験しています。だまされて結婚し財産を取られた人、名前だけはあっても実際には存在しない会社に、沢山のお金を預けた人、麻薬に幸せを求めた人々等々、数えたらきりがありません。

ヨナが地中海に投げ込まれると、大きな魚に飲み込まれました。彼には全く希望が見えませんでした。その時「空しい偶像に心を留める者は、自分への恵みを捨て去ります」と彼は考えました。そして「神の救いを待ち望もう」と、信仰による告白をしたのです。

私たちの毎日の生活には、空しい偶像がそびえ立っています。そと身だけはありますが、中身のないものが偶像です。すぐに消え去ってしまうものが、偶像です。「これを持てば絶対に幸せになれる!」と思っている物が、偶像です。つまり、私たちをだましているものが、偶像なのです。私たちの目と心をひきつけて、イエスさまから離してしまいます。私たちの身の周りには、どんな偶像があるのでしょうか。

第一に、私たちに「お前は罪を犯している。絶対に赦されない」という間違った意識です。私たち一人ひとりはみな、罪人です。イエスさまが既に、私たちのすべての罪を赦し、私たちを罪から解放してくださいました。イエス・キリストは、罪人を救うために来てくださったのです。私たち一人ひとりを救うために、来てくださったのです。

第二に、「私は人と比べると何もできない。だめな人間だ。何をやってもだめだ」という、否定的な意識です。自分のことを何もできない者と思って、自分を責め過ぎている人が沢山います。けれどもキリストを信頼する者は、既にイエスさまの十字架によって新しく造られ、聖霊さまの力を受けている者です。「しかし、聖霊があなたがたの上に臨むとき、あなたがたは力を受けます。そして、エルサレム、ユダヤとサマリアの全土、さらに地の果てまで、わたしの証人となります《使徒 一・8》」と、聖書は言っています。私たちの日々の生活の中で、失敗し、罪を犯す時も沢山あります。けれども、私たちの内におられる聖霊さまは、キリストと同じ姿に私たちを変え続けてくださり、私たちを最終的に勝利する者に変え続けてくださるのです。

第三に、病気になった時、「もしかしたら治らないかも」という意識もそうです。イエスさまが私たちの病を背負って、十字架で死んでくださったのです。「しかし、彼は私たちの背きのために刺され、私たちの咎のために砕かれたのだ。彼への懲らしめが私たちに平安をもたらし、その打ち傷のゆえに、私たちは癒やされた《イザヤ 五十三・5》」のです

第四に、「呪われているのかもしれない」という不安も、そうです。イエスさまの十字架は、私たちを呪いから自由にしてくださったのです。「キリストは、ご自分が私たちのためにのろわれた者となることで、私たちを律法ののろいから贖い出してくださいました。『木にかけられた者はみな、のろわれている』と書いてあるからです。それは、アブラハムへの祝福がキリスト・イエスによって異邦人に及び、私たちが信仰によって約束の御霊を受けるようになるためでした。《ガラテヤ 三・13~14》」

そして最後に、私たちを最も苦しめている「死んだらおしまいだ。だから死にたくない」という死の力も、中身のないものとなりました。キリストは死に打ち勝ち、よみがえられました。私たちも主と共に死に打ち勝って、永遠のいのちを得る恵みが与えられているのです。

私たちの目や耳、体で感じるものは、このように私たちを空しい物に引き付けます。けれども、イエスさまを信頼する心は、みことばによって成長します。ですからイエス・キリストを信頼する私たちは、たとえ目で見た状況、耳で聞こえて来る状況が、最悪でも、十字架にかかられ、よみがえられた主イエスさまに期待し、信頼しなければなりません。

お祈り:祝福の源であられる天のお父さま、感謝します。私たちを中身のない、むなしい偶像から救ってください。ただ十字架の恵みを待ち望みます。キリストの希望に満ちあふれることができますよう、聖霊さま、助けてください。主イエスさまの御名によってお祈りします。アーメン

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