6月21日 すべてが麗しいお方

あなたは人の子らにまさって麗しい。あなたの唇からは優しさが流れ出る。神がとこしえに あなたを祝福しておられるからだ。《詩篇 四十五・2》

イエスの全人格は、よく磨かれた一個の宝石のようである。イエスの生涯はその始まりから、封印されているという印象が強い。

イエスの全てが完全である。イエスの人格や生涯の或る部分だけが、完全なのではない。主の人格と生涯が恵み深く、全てが栄光に満ちていることにおいて、完全なのである。

イエスの品性は、澄み切った美しい色彩を、雑然と混ざり合わせたようなものではない。或いは、高価な宝石を幾つか、何の意図もなく、或いは設計図もなく、無造作に組み合わせたようなものでもない。イエスは、麗しさの極みであり、12の宝石をはめ込んだ「栄光の胸当て」のようである。イエスの中にあって、「すべて評判の良いこと《ピリピ 四・8》」は適切な場所に置かれ、互いにそれぞれの美しさを引き立てている。イエスの栄光に満ちたご人格には、ご自分の美しさを際立たせるため、他のものの美を損なうということが皆無である。イエスは麗しさの極みであり、イエスの全てが美しいのである。

主イエスさま。あなたの力、あなたの恵み、あなたの正義、あなたの憐れみ、あなたの真実、あなたの威厳、あなたの不変性が、そのように一人の人の内に全て宿ったのです。より厳密に言うなら、そのように一人の「神人」の内に宿ったのです。天においても、地においても、その他どこにおいても、かつて存在したことのない人です。

イエスさま。あなたの幼少期、あなたの永遠性、あなたの苦難、あなたの勝利、あなたの死、そしてあなたの永遠のいのちは全て、あたかも一つの豪華な絨毯のようです。縫い目も裂け目もなく、一つの模様が見事に織り込まれているのです。

イエスさま。あなたは不協和音のない音楽です。あなたは、質、量において豊かなお方ですが、決して分割することは出来ません。あなたは全てであられますが、多種混合ではありません。すべての色が見事に融合して、一つの美しく輝く虹が構成されています。同じように、天と地の全ての栄光が、あなたの内にあって触れ合い、交わり合い、驚くほど素晴らしく一体となっているのです。それゆえ、万物の中で、あなたに比べ得るものはありません。それどころか、たとい、最も優れた道徳的美を一つの束に結合させたとしても、全てを完璧に、忠実に映し出す鏡であるあなたに匹敵することはありません。あなたには、没薬と肉桂の聖なる油が注がれています。それは、あなたの神が、特にあなたのためにだけ備えておかれたものです。あなたの香りは、聖い香料のようです。そのような香りは、決して誰にも調合することの出来ないものです。熟練した調剤師が技術の粋を集めても、その香料を調合することは出来ません。一つひとつの香料は、芳ばしい香りを放っています。けれども、その香料の調合は神々しいのです。

「何と神聖な調和でしょうか! 何と類い稀な一体でしょうか / 一つの完全なお方を作るため、何と多くの完全さが結び合わされているのでしょうか! / 天上の音楽よ! 各部分がそれぞれ美しいパートを奏で / 完全に麗しいメロディとし、全体を麗しい一つの旋律に作り上げるのです。」

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