しかし、今やキリストは、眠った者の初穂として死者の中からよみがえられました。《コリント人への手紙 第一 十五・２０》
キリストの救いは、「キリストは、…死者の中からよみがえられました」という一つの事実の上にすべて支えられている。「もしキリストがよみがえらなかったとしたら、あなたがたの信仰は空しく、あなたがたは今もなお自分の罪の中に《Ⅰコリント十五・１７》」いることになるからである。
キリストが神であることは、ご自身が復活したことにより、紛れもない事実として証明された。主は「聖なる霊によれば、死者の中からの復活により、力ある神の子として公に示された方《ローマ一・４》」と書かれているからである。
更に、キリストが全ての主権を持っておられることも、復活に基づいている。「キリストが死んでよみがえられたのは、死んだ人にも生きている人にも、主となるためです。《ローマ十四・９》」
また一方、私たちが義と認められたことも、死を打ち破り、墓から出た来られたキリストの勝利と関連している。キリストの新しい契約により、私たちは義となるため、神に選ばれる祝福を頂いている。「主イエスは、私たちの背きの罪のゆえに死に渡され、私たちが義と認められるために、よみがえられ《ローマ四・２５》」たからである。
いいえ、これだけではない。私たちの新生も、主の復活と関係している。「神は…イエス・キリストが死者の中からよみがえられたことによって、私たちを新しく生まれさせ、生ける望みを持たせて《Ⅰペテロ一・３》」くださったからである。
また、私たちの肉体が栄光の姿に変えられることも、確かにキリストの復活に基づいている。「イエスを死者の中からよみがえらせた方の御霊が、あなたがたのうちに住んでおられるなら、キリストを死者の中からよみがえらせた方は、あなたがたのうちに住んでおられるご自分の御霊によって、あなたがたの死ぬべきからだも生かしてくださいます《ローマ八・１１》」と書かれているからである。
もしキリストが復活しなかったなら、私たちも復活することはない。しかし、キリストが復活したなら、キリストにあって眠っている者たちは滅びたのではなく、やがて栄光に輝く復活の肉体を着せられ、必ず神の御前に立つことになる。
キリストは、死者の中から復活なさった。今見て来たように、新しく生まれることから始まり、永遠の栄光の祝福に入れられる時まで、すべてキリストの復活に基づいている。キリストの復活は、信仰者が頂く全ての祝福を貫き、その祝福を互いにつなぎ合わせているのである。
復活という栄光の出来事は、キリストがいかなるお方であるかを御父がどのように評価なさっているのかを知る上で、極めて重要である。また、「今や、キリストは死者の中から復活した」ことが紛れもない事実であることが確証されたことで、御父はいかに喜んでおられることだろうか。
「約束は果たされた ／ 贖いの御業は完了した ／ 神の義と、神の憐れみが、一つになった ／ なぜなら、神は御子を復活させたからである」
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